オレ様の世界 シーズン2

常識的な非常識 /マイノリティなマジョリティ / 本音のキレイごと / ラブ・アンド・ディトラクション / ようこそ、オレ様の世界へ

 

たった一言言っただけで、憂鬱な気分が吹き飛んだ

オレは会社での地位が上のほうなので、おもに人に指示を出す側にいる。

 

先日、とある他部署の部下に仕事を頼んだ。

「あなたにしかできないから手伝ってほしい」と。

 

毎度のことながら、こいつにものを頼むのはイヤだ。

いちいち文句を言ってくる上に、年上で向こうのほうが社歴も長いから言い返しにくいのだ。

 

「えぇ!面倒くさい!」

 

思ったとおりの反応だ。

本当に面倒くさいのは、てめーみたいな面倒くさい奴にも仕事を頼まなきゃいけないオレのほうだ。

 

驚いたのは、そいつの上司までもがこう言ったことだ。

 

「今、忙しいから、あとにしてくれ。」

 

 

 

上司にまで言われてはどうしようもない。

その日は引き返すことにした。

 

だが結局、奴に仕事を頼まなければいけない状況は変わらない。

また数日後には頼みに行かなければならない。

 

あぁ、面倒くさい!

 なんでオレがあんな奴に頭を下げて仕事をやってもらわなきゃならないのだ!

 

あいつの上司も一体どういうつもりだ!

大事な仕事だってことぐらいわかってるだろう!

 

面倒くさいが頂点に達したとき、オレの腹は決まった。

 

「あいつには頼まない!」

 

いざその仕事の日。

 

集まった部下に「〇〇さんは来ないんですか?」と聞かれて、こう答えた。

 

「頼みに行ったんだけど「面倒くさい」とか言いやがったから、あいつには頼まない。

 オレらだけでやる!」

 

その瞬間、憂鬱な気分は吹き飛んだ。

この数日間、オレはこれが言いたくて、でも言えなくて悶々としていたのだ。

 

だんだん、強気になってきた。

 

よく考えれば、何が何でもあいつに頼まなきゃいけないことではない!

いないならいないで、何とかなる!

 

実際、なんとかなった。

 

思ってることは口に出さなきゃいかんね。

頭の中で堂々めぐりして、憂鬱になるだけだから。