常識をぶっ壊す狂気のマンガ「東京大学物語」
久しぶりに「東京大学物語」というマンガを読み返している。
もう結構古いマンガだが、今読んでも全く色あせない。
それだけ飛び抜けた個性と、人間の普遍的な部分が表現されているのだ。
どんな話か説明するから、まぁ聞いてくれ。
良くも悪くも、オレの人生に最も影響を与えた本の一つだからな。
ちなみに、オススメはしない。
「東京大学物語」 は、成績は優秀だが妄想癖がある主人公「村上直樹」と、ちょっと変わったヒロイン「水野遥」のラブコメとしてスタートする。
村上が妄想して暴走するのに、なぜかそれについてきてしまう水野遥の構図が笑える設定だ。
だが、途中から様子が変わり始める。
そう、このシーンが象徴的だ。
ここから、村上の欺瞞が徹底的に暴かれ始める。
水野遥を好きなのも、東大に行きたいのも、結局すべて「自分のため」でしかない、と。
物語は急激に加速する。
もはや暴走と言ってもいいほどだ。
きれいごとの恋愛を批判し、ただ世間から認められたいだけの学歴を批判してしてしまくって、その上追い討ちをかけるように、
「常識を捨てることがどれほど難しいか」
「非常識に生きることがどれほど厳しいか」
「常識を信じていたほうが実は幸せではないか」
という身もふたもない現実をも見せつける。
しかもその見せ方も言葉だけでは飽き足らず、しつこいぐらいの性描写を用い、果てはSMまで持ち出す。
もうただのエロ漫画なのか、何か深いことを言っているのか、ほとんどの人にはわからないだろう。
最終的には丸々一巻、性描写が続くという普通の青年マンガではありえない展開を経て、ラストはなんと「夢落ち」!
常識を破壊して、破壊して、破壊しつくして、最後は「オレのことも信じるな!」「自分で考えろ!」と…。
全くこれほどのマンガには出会ったことがない。
よくある深いとかいう次元は完全に超えており、多くの人にはただただ不快なだけであり、残念ながら理解するのはムリかもしれない。
もう一度言うが、特にオススメはしない。
東京大学物語 34 永遠の青春 (BIG SPIRITS COMICS)
- 作者: 江川達也
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2001/02
- メディア: コミック
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ただもし心から「このマンガがわかる」という人がいて、さらにオレと会う機会があれば言ってくれ。
語りたいことは山ほどある。